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バウルーの歴史2


金型の開発を依頼されたのは、新潟県燕市にある田巻金属株式会社(以下「田巻金属」と略)。明治時代に創業した同社は、代々ミシンの部品・洋食器・金型など、時代のニーズにあった金属加工を手掛けてきた金属加工の老舗です。

それにしても、初めてこの実機を見た時は驚いたことでしょう。「ブラジルのバウルーなんて行ったことはありません。渡辺さんが『こういうものを作りたい』って、現物を持ってきたんです」。そう話すのは、バウルーの初号機誕生に携わった田巻社長。そこから、創意工夫の日々始まります。お土産の模倣では、日本市場で販売しても、多くの人に受け入れられるとは思えなかったからです。

「ブラジルのパンは、日本のものより一回り大きかったので、まず日本の食パンの大きさに合わせなければいけません。また、食パンの厚みは地域によってまちまち。そこで調べてみると、一般的にスーパーで売っている食パンが8枚切りだったんです。それを2枚使って、中に具を挟んで焼き上げるのにちょうどいい厚みにして…」。奥様も、主婦の目線から開発を支えました。


アルミダイキャストの輝きが印象的な旧ラインナップ「ホットサンド」シリーズ。
「デザインは、松下電器産業(現:パナソニック株式会社)を独立したプロダクトデザイナーが手掛けたと聞いています(田巻社長)」。

調理器具は、使いやすさはもちろん、料理の仕上がりのよさも大切です。大切にしたいのは「外はカリッ、中はふっくら」というその食感。また、バウルーは裏返しする調理器具ですから、女性の腕でも簡単にひっくり返せる重さが理想的です。

こうした条件を満たすために、ボディの主素材に選ばれたのは、アルミダイキャスト。「鉄、ステンレス、チタンなど、アルミの他にも素材はいろいろあります。しかし、手にした時の重さやコスト、加工のしやすさなどのバランスを考えると、アルミがベストでした。何より、アルミは熱伝導が高い。それが焼いた時のうまさ、食感につながります(田巻社長)」。

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